四象体質
東武 李済馬(1836-1900) |
四象医学とは、十九世紀の終わりごろ朝鮮の医学者、李済馬先生により創設されました。患者の体質と性格により、同じ病気でも症状は異なり、薬物に対する反応も違う事から患者を一律に見るのではなく、人それぞれの体質、内臓の状態、精神状態、性格、食性などによりそれぞれ違う治療法が必要だと説いた。このような経験に基づき、人の体質を「太陽人型」、「少陽人型」、「太陰人型」、「少陰人型」の4つの型に分け、新しい体系を打ち出し薬物治療と予防法を適用する独特な「四象医学」説を提唱した。 |
四象体質の鑑別
四象体質 | 太陽人 | 太陰人 | 少陽人 | 少陰人 |
全体の割合 | 日本人にほぼいない | 日本人の約20% | 日本人の約3% | 日本人の約75% |
この指輪のはめ方で力がでる | 親指に金色 薬指に銀色で力が出る (逆で力が抜ける) |
太陽人タイプと 全く正反対 (逆で力が抜ける) |
中指に銀色 小指に金色で力が出る (逆で力が抜ける) |
少陽人タイプと 全く正反対 (逆で力が抜ける) |
色の関係 | 力が出る →赤・紫 力が抜ける→白・薄い色 (太陰人と逆) |
力が出る →白・薄い色 力が抜け色→赤・紫 (太陽人と逆) |
力が出る →黒・青・銀 力が抜ける→黄色・金・ベージュ (少陰人と逆) |
力が出る →黄色・金・ベージュ 力が抜ける→黒・青・銀 (少陽人と逆) |
野菜の関係 | 大根力が抜ける | ニンジンで力が出る | ジャガイモで力が抜ける | キュウリで力が抜ける |
身体的な特徴 | 頭が大きく丸いほう。首筋と頭の後ろが発達しており、顎の部分が狭く目が小さい。体躯は端正なほうだが、上体に比べ下肢と腰が弱い。たいていは体は痩せているほうで、垢抜けた印象で目には輝きがある。頭脳明晰で、英雄心、積極性、自尊心が強い。独創的で、独善的である。他人を非難することを好み、憤慨しやすい。天才型、発明家、戦略家、革命家、音楽家タイプである。偉人でなければかって無能力者になりやすい。 | 顔は円形または楕円形、目耳鼻口が大きく唇は厚い。体格は大きいほうで、筋肉と骨格が発達している。普通背が高く体の肥大な人が多い。特に手足が大きい。腰が太いほうで、上体より下肢のほうが丈夫だ。堂々として重みがあるように見える。女性は美人が少ない。性格は仁のある人で心が広く活動的だ。執念と粘りがありおとなしく黙々と実践する。頑固で陰険、本心をなかなか見せない。欲深く驕慢なところがある。女性は愛嬌がない。怠けるときはどこまでも怠ける。豪傑か型、怖がり、事業家、政治家タイプである。 | 頭が前後に出ているか、丸いほうで表情が明るい。顎は尖っているほうで、口はそれほど大きくなく唇は薄い。特に目つきが鋭い。体型は上体に比べ下肢が弱く、特に脚が細い。太っている人はゆとりがある。胸の回りが発達している。軽快に見えるが軽い印象を受ける。歩くときはいつも遠くを見て歩く。性格としては外交的で、明朗で、機転が利き判断が早い。多情多感で、奉仕と犠牲精神が強く、利害関係で心が変わることはない。剛直で義憤に耐えることができない。性急で軽率なので失敗が多い。よく腹を立て計画性がない。批判的であきらめが早い。対人関係は円満だが家庭をおろそかにする傾向がある。商売人、軍人、奉仕活動家、仲人、サービス業従事者タイプである。 | 容貌は全体が整っていてよく調和が取れている。目鼻口はそれほど大きくなく、唇も薄い。目に精気がない。上体に比べ下肢が発達している。肉と筋肉は比較的ついてないほうだが、骨格は太いほうだ。背と体格は小さいほうだが、体全体の均衡が取れている人が多い。おとなしく温和な印象で、美男美女が多い。性格は思索的で、すべてに緻密で着実だ。判断力があり聡明で礼儀正しい。細やかで内向的であり、自分本位だ。嫉妬心が強く、計算高く、腹を立てると簡単におさまらない。いつも不安定で、小さい事がすぐ気に障る。女性の場合はきちょうめんで家計を上手く切りまわしていく。知事型、教育、宗教者、学者、事務員のタイプである。 |
東洋医学的体の 特徴 |
肺機能が良く肝機能弱い (肝虚肺実) |
肺機能が弱く肝機能良い (肝実肺虚) |
脾臓・胃が強く腎臓が弱い (腎虚脾実) |
脾臓・胃が弱く腎臓が強い (腎実脾虚) |
その他の特徴 (一部) |
長く座ったり、長く歩いたりすることができない。小便が多い。聴覚が発達。女性では子どもを産めない場合が多い。 | 心臓、大腸、皮膚機能が弱い。たくさん汗をかく。臭覚が発達。女性は冬になると手足にカサツキが多い。 | 体に熱が多い。消化能力が旺盛である。汗は余りかかない。視覚が発達。男性は精力不足の場合が多く、女性は多産系ではない。 | 虚弱体質。冷え性。汗は余りかかない方で、汗をたくさんかかない方が良い。味覚が発達。女性は皮膚に潤いがある。無意識のうちにため息をよくつく。 |
陰陽の度合い | 陽が70%陰が30% | 陽が30%陰が70% | 陽が60%陰が40% | 陽が40%陰が60% |
発生率が高い疾病 環境(食事・職場生活)などによって違う場合あり |
肝臓疾患、消化不良(すっぱいゲップ)眼病、食道ケイレン、不妊症。 | 急性肺炎、気管支炎、喘息、心臓病、高血圧、腫れ物、じん麻疹、アレルギー、大腸炎、痔、便秘、ノイローゼ、風邪、盲腸炎、腸チフス、黄疸。 | 心臓病、膀胱炎、尿道炎、早漏、不妊症、腰痛、狭心症、夏バテ。 | 消化不良、胃炎、胃下垂、胃酸過多、憂鬱病、慢性腹痛等の慢性・急性胃腸病、神経性疾患、手足の冷え、車酔い、暑がり、下痢、寒さ負け。消化不良、胃炎、胃下垂、胃酸過多、憂鬱病、慢性腹痛等の慢性・急性胃腸病、神経性疾患、手足の冷え、車酔い、暑がり、下痢、寒さ負け。 |